富士を望む天空の葡萄畑へ!中伊豆で出会う極上ワインと美食の宿
中 伊豆 ワイナリーの広大な葡萄畑に立ち、目の前に広がる富士の稜線を眺めると、ここが日本の温泉郷の一角であることを一瞬忘れそうになる。青空の下に整然と伸びるブドウの畝、ナパ・ヴァレーを彷彿とさせる赤瓦の洋館。吹き抜ける風が運んでくるのは、熟成を待つオーク樽の芳醇な香りだ。多くの旅人が熱海や修善寺の温泉街へと足を向けるなか、伊豆半島の真ん中、標高の高い丘陵地で静かに、しかし熱狂的に繰り広げられているワイン造りの物語がある。
喧騒から完全に切り離された高台に佇む中 伊豆 ワイナリーは、一般的な観光農園のスケールを遥かに凌駕している。10ヘクタールにも及ぶ自社畑と本格的な醸造施設、さらには上質な滞在を約束する客室やレストランが一体となった複合リゾート「中伊豆ワイナリー ヒルズ」。グラスを片手に富士を仰ぐ優雅なひとときは、週末の小旅行をまったく別次元の記憶へと塗り替えてくれるはずだ。
カリフォルニアの風が吹き抜ける丘——創業者・志太勤が描いた巨大シャトーの原点
この地に立つと誰もが圧倒される壮大なシャトー。その背景には、給食・フードサービス大手として知られるシダックス株式会社の創業者、志太勤氏の並々ならぬ情熱が息づいている。志太氏がかつて渡米した際、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーの美しい景観と、ワインを中心とした豊かなライフスタイルに強い感銘を受けたことがすべての始まりだった。
「故郷である伊豆に、世界へ誇れる本物のワイナリー文化を根付かせたい」。その強い想いは、大規模な開拓事業「シャトーT.S プロジェクト」へと結実する。温暖で多雨、一見するとワイン用ブドウの栽培には過酷と思われた伊豆の山肌を切り拓き、水はけを徹底的に改良。理想の土壌を一から作り上げる気の遠くなるような歳月を経て、いまや約10万本ものブドウ樹が整然と並ぶ圧巻のランドスケープが完成した。
富士山を望む絶景テイスティングと限定醸造ワイン!宿泊予約の裏技を公開
この地を訪れる最大の特権は、富士山を正面に捉えるテラスでのテイスティング体験だ。よく晴れた澄んだ空気の中、抜けるような青空と雪化粧をまとった霊峰のコントラスト。そのパノラマを背景にグラスを傾ける時間は、まさに旅のハイライトと言っていい。現地を訪れたなら絶対に逃せないのが、ショップの店頭や一般流通にはほとんど並ばない「セラー限定醸造ワイン」の試飲だ。年ごとのミクロクリマを色濃く反映した樽出しのシングルヴィンヤード(単一畑)ワインは、現地に足を運んだ者だけが喉を鳴らすことを許された特別な液体である。
そして、この贅沢を味わい尽くすための滞在予約には、知る人ぞ知る裏技が存在する。敷地内の宿泊棟は部屋数が厳選されているため、週末や収穫期は常に争奪戦となるが、狙い目は「平日連泊枠の事前登録」と「公式メンバーシップ先行予約」の組み合わせだ。特にブドウ畑を一望できるバルコニー付きジュニアスイートは、一般オンライントラベルサイト(OTA)への在庫開放前に公式サイト上でシークレットプランとして枠が動くことが多い。醸造長が案内するプライベートセラーツアー付きプランや、仕込み体験がセットになった限定宿泊枠は、メルマガ会員向けの先行アナウンス後、数時間で埋まることもある。旅の日程が決まり次第、まずは公式の通知ラインを確保しておくことが極上ステイを手中に収める最短ルートだ。
土壌と気候の限界を超えた挑戦、果汁発酵・醸造業としての矜持
日本の多湿な気候下で高品質なワインを醸すことは、自然との絶え間ない対話であり、妥協なき戦いでもある。雨の多い伊豆でブドウの糖度を極限まで引き上げるため、レインカットと呼ばれる雨除け栽培や、徹底したキャノピーマネジメント(新梢管理)が畑全体で愚直に続けられている。
収穫された果実は、重力を用いてブドウへのストレスを最小限に抑えるグラビティ・フローシステムを採用した醸造所へと速やかに運ばれる。伊豆のテロワールを表現するために、果汁発酵・醸造業としての最新テクノロジーと、伝統的なフレンチオーク樽による長期熟成の技術が融合。果皮に含まれる繊細なアロマを逃さぬよう、温度管理を徹底したステンレスタンクでの低温発酵など、造り手たちの職人気質が随所に光る。
日本ワイナリーアワード常連へ、進化を止めない「日本ワイン」の現在地
地道な土壌改良と醸造技術の研鑽は、確固たる評価となって実を結んでいる。全国の優れた造り手を厳選して格付けする「日本ワイナリーアワード」において、中伊豆のワインは連続して高い星評価を獲得。伊豆の気候で育まれたブドウのみを使用する純粋な「日本ワイン」としての品質の高さが、専門家たちの間でも広く認められるようになった。
主力品種である信濃リースリングは、華やかな柑橘や白い花のブーケにキリッとした酸が調和し、驚くほどクリーンな余韻を残す。また、しっかりと選果されたメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンからは、日本の土地特有の優美さと程よいタンニンを備えたエレガントな赤が生み出されている。重厚さばかりを追うのではなく、現地の風土と日本の食文化に寄り添う軽やかな調和。そのグラスの中に、現代のクラフトマンシップが凝縮されている。
泊まれるワイナリーの贅沢、オーベルジュ・リゾートホテルで味わう至高のペアリング
日帰りでは決して味わえない至福が、夕暮れ時から幕を開ける。敷地内に併設された宿泊施設は、まさに本格的なオーベルジュ・リゾートホテル。窓の外に広がる葡萄畑が茜色から深い藍色へと移ろうマジックアワーを眺めながら、メインダイニングのテーブルにつく。
テーブルに並ぶのは、伊豆近海で揚がった鮮魚や伊豆牛、地元農家が育てる力強い野菜を主役に据えたコース料理。一皿ごとに、その日の気温や料理の温度帯にミリ単位で合わせた自社ワインがサーブされる。土地の料理と土地の酒が溶け合う「テロワールのマリアージュ」。食事の後は、夜風を感じながらライトアップされた畑の小道を散策し、そのまま部屋の柔らかなベッドへと倒れ込む。車を運転して帰るストレスから完全に解放された滞在は、大人の休日にふさわしい至高の選択だ。
メディアが注目するワインツーリズムの新潮流と現地の生きた熱気
近年、テレビ東京の経済ドキュメンタリー番組や旅番組などでも、地域創生の革新的なモデルとして中伊豆の取り組みが大きく取り上げられている。単に名産品を作って売るだけではない。畑を歩き、土に触れ、醸造家の哲学を聞き、食と宿泊を通して地域全体の魅力を五感で受け止める。こうした新しいワインツーリズムの形が、都市部で働くビジネスパーソンや若い世代の旅行者の価値観を大きく変えつつある。
乗馬体験や温泉、広大なスポーツエリアまで内包するこの広大な丘は、訪れる時間帯や季節によってまったく異なる表情を見せる。春の芽吹き、夏の力強い緑、秋の収穫の熱気、そして冬の静寂と澄み渡る富士の姿。グラスの底に揺れる一杯のワインをきっかけに、旅そのものが鮮やかに色づいていく。 (出典: 中 伊豆 ワイナリー(Yahoo!ニュース))