映画マスクの愛犬マイロ!CG無しの怪演秘話と犬種の秘密を解剖
マスク 映画 犬の代名詞として、今なお世界中のシネフィルに強烈なインパクトを残し続ける名相棒がいる。1990年代を代表する傑作コメディ『マスク』(1994年の映画)で、緑色の怪人と化した主人公スタンリーの傍らを駆け抜けた愛犬「マイロ」だ。卓越した知性とアクロバティックな身のこなし、そして時折見せる人間顔負けの表情は、公開から長い年月を経た現在でもまったく色褪せない。
全身ゴム人間のような躍動感でスクリーンを支配した主演のジム・キャリーに一歩も引かず、むしろ観客の視線を完全に強奪したこのマスク 映画 犬の存在感は、単なるペットの枠を遥かに超えていた。特殊効果全盛の現代から振り返るほど、生身の躍動感が生み出す本物の凄みに息をのむ。
怪優ジム・キャリーを喰った「マイロ」という唯一無二の存在
当時、破竹の勢いでスターダムを駆け上がっていたジム・キャリーの即興演技は、共演者泣かせとして知られていた。台本にないアドリブがマシンガンのように繰り出される撮影現場で、そのテンポに完璧に食らいついたのがマイロ(犬のキャラクター)を演じたオスのタレント犬「マックス」だった。
名シーンとして語り継がれる留置所の脱獄劇を覚えているだろうか。高窓に届かないスタンリーのため、マイロが垂直に跳躍して鍵を奪い取ろうとする一連のシークエンスだ。あの張り詰めた空気と絶妙なユーモアの交錯は、予定調和を嫌うキャリーの生々しいパッションと、動物タレント(タレント犬)としてのマックスの並外れた集中力が正面衝突したからこそ生まれた奇跡にほかならない。
CG全盛前夜の奇跡!生身のアクションと過酷な現場裏話
『マスク』が製作された1990年代初頭は、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)によるデジタルVFX技術が劇的な進化を遂げていた過渡期だった。緑の怪異に変身したマイロの顔こそ誇張されたCGで描かれたものの、それ以外のスタントはほぼすべてマックス自身がこなしている。
撮影現場は過酷を極めた。動物トレーナーたちはキャリーの予想不能なハイテンションにマックスが怯まないよう、何週間もかけて信頼関係を構築。現場ではキャリーのポケットに小さなソーセージやチーズを忍ばせ、視線やリアクションをミリ単位で誘導したという。テイク数は時に数十回に及んだが、マックスは決して集中力を切らさず、映画史に残る伝説的なテイクを叩き出した。
ジャック・ラッセル・テリアのブームとハリウッド映画産業が直面した光と影
マイロの圧倒的な愛らしさと賢さは、世界中でジャック・ラッセル・テリアという犬種の一大ブームを巻き起こした。もともとイギリスでキツネ狩りのために作出されたこの小型ハンターは、無尽蔵のスタミナと極めて高い作業欲求を持つ。映画が見せた「賢く従順なラップドッグ」という一面だけを信じて飼育を始めた一般家庭では、その有り余るエネルギーを持て余すケースが続出し、ペット社会に小さくない波紋を広げた。
この現象は、ハリウッド映画産業が持つ強大なプロパガンダ力と、スクリーン上のイメージが実社会に与える影響の大きさを証明する格好のケーススタディとして、動物福祉の現場で今も語り継がれている。
監督チャック・ラッセルが仕掛けたニュー・ライン・シネマ流の映像美学
メガホンを取ったチャック・ラッセル監督の手腕も見逃せない。もともとホラー映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』などで頭角を現した監督は、ダークなトーンを宿した原作コミックを、カートゥーンアニメ調の痛快なコメディ映画へと見事に昇華させた。
製作を手掛けた新進気鋭のニュー・ライン・シネマ(後にワーナー・ブラザース傘下へ統合)は、低予算の中で最大限のビジュアルインパクトを追求。ラッセル監督はマイロを単なる「可愛い小道具」としてではなく、古典的アニメーション『トムとジェリー』における相棒のようなダイナミズムを与えて演出し、作品のテンポを極限まで引き上げた。
伝説のタレント犬マックスの素顔と撮影チームを唸らせた即興劇
マックスは撮影外では非常に穏やかで、キャリーの激しいボディランゲージにも終始リラックスして応じていたという。現場スタッフの証言によれば、キャリーが突然床に転がってアドリブを始めた際、マックスは驚くどころか、キャリーの鼻先をペロリと舐めてスタッフ全員の爆笑を誘った。
台本には「吠える」としか書かれていなかった場面で、首を傾げて小首をかしげる独特の仕草を見せるなど、彼自身の直感的な演技がフィルムに焼き付けられている。まさに俳優としての天賦の才を持った犬だった。
配信で今すぐ観る!名作コメディ映画の最新サブスク事情
公開から数十年が経過した現在も、あの痛快なバディ劇を鑑賞したいという需要は絶えない。現在、本作はワーナー・ブラザースの主要ライブラリ作品として、NetflixやAmazonプライム・ビデオといった大手動画配信サービスで見放題、またはデジタルレンタル配信されている。
4Kリマスター版のクリアな映像で観直すと、マイロの毛並みの細かな震えや、キャリーの微細な表情の変化がより鮮明に伝わってくる。時代を超えて愛される動物映画の金字塔を、週末のスクリーンで再び堪能してみてはいかがだろうか。 (出典: マスク 映画 犬(Yahoo!ニュース))