池袋東口の象徴タカセ本店の全階解剖!レトロ純喫茶と洋食の秘密
タカセ 池袋 本店の自動ドアをくぐると、甘く香ばしい焼きたてパンの香りと共に、まるで数十年前にタイムスリップしたかのような静謐な空気が肌を包み込む。超高層ビルが林立し目まぐるしく景色を変える池袋駅東口のロータリー正面にあって、この白亜のビルだけは、街の喧騒を優しく拒むかのようにどっしりと佇んでいる。
大正時代から続く暖簾を守るタカセ 池袋 本店は、いまや単なるベーカリーの枠を完全に超えている。めまぐるしいスピードで再開発が進む豊島区のカルチャーの中で、昭和を愛する若者から白髪の常連客までを等しく魅了し続けるその磁場は、一体どこから生まれているのだろうか。フロアごとに全く異なる表情を見せるこのビルの深層へと足を踏み入れた。
各階で顔を変える巨大ビル!限定フロアの歩き方と2026年最新の味
ビル丸ごと一棟がタカセのワンダーランドだ。1階のテイクアウトベーカリーを基点に、2階はどこか懐かしい喫茶室、3階は本格派のグリルレストラン、そして最上階の9階には池袋の街並みを見下ろすコーヒーラウンジが控える。
2026年を迎えた現在も、フロアごとの個性的なメニュー展開は健在だ。特に注目したいのが、3階レストランで数量限定提供されている特製デミグラスソースのプレート。創業期からのレシピを現代の素材感でブラッシュアップさせた限定メニューは、開店と同時に注文が殺到する逸品だ。一方、9階ラウンジでは窓際の特等席で味わう季節のパフェとオリジナルブレンドが静かなブームを呼んでいる。階を移動するだけで、日常から完全に切り離された非日常へと旅ができる。
初代・高瀬森之助の情熱が息づくタカセ洋菓子株式会社の歩み
この場所で息づく物語の始まりは、大正9(1920)年に遡る。創業者の高瀬森之助が、四国・香川から上京して池袋の地に小さな店舗を構えたのがタカセ洋菓子株式会社のルーツだ。当時、まだ原っぱが広がっていた池袋において、いち早く飲食・製パン業の未来を見据えていた森之助の先見の明には目を見張るものがある。
戦火による店舗焼失や幾多の経済危機を乗り越えながらも、一貫して守り抜いてきたのは「気取らず、誰もが毎日食べられる本物の美味しさ」という哲学だ。流行に流されず、奇をてらわない。その頑固なまでの実直さが、激動の100余年を経てなお色褪せない信頼の土台となっている。
アーモンドプードル香る伝統の味!Z世代も熱狂する看板スイーツ
ショーケースにずらりと並ぶ焼き菓子の中で、圧倒的な存在感を放つのがロングセラーの「アーモンドチュイル」だ。袋を開けた瞬間に広がるアーモンドプードルの芳醇な香ばしさと、贅沢に使われたバターのコク。サクサクとほどける絶妙な食感は、職人の熟練の火入れがあってこそ成し得る技だ。
いま、空前の昭和レトロ文化ブームを追い風に、若い世代がこの伝統の味を求めて連日列を作っている。「カステ」や「アポロ」といった昭和の面影を色濃く残す素朴なパンも、SNSを通じて再評価が進む。過度な装飾のない実直なパッケージデザインすらも、現代の若者には新鮮なカルチャー体験として映っている。
出没!アド街ック天国でも話題の洋食と純喫茶フロアの深い魅力
テレビ東京の人気番組『出没!アド街ック天国』をはじめとする多くのメディアで、池袋を代表する味として幾度となく紹介されてきたタカセの料理たち。2階の純喫茶で提供されるプリンアラモードは、銀の脚付き器に盛られた王道のビジュアルで、固めのカスタードとほろ苦いカラメルが完璧な調和を奏でる。
3階レストランへ上がれば、そこは古き良き洋食の聖地だ。丁寧に下ごしらえされたハンバーグステーキや、黄金色に焼き上げられた薄焼き卵のオムライス。一口頬張るごとに、どこか温かく、どこか誇らしい日本の洋食文化の真髄がじんわりと五臓六腑に染み渡る。
食べログやGoogle マップの高評価を検証!行列を避ける穴場時間
グルメサイトの食べログやGoogle マップでも驚異的なレビュー数を誇り、星の数以上の熱狂的な支持を集め続けるタカセ。だが、週末のランチタイムやカフェタイムにはビル前まで長蛇の列ができることも珍しくない。
並ばずにこの空間を堪能するための賢い攻略法がある。狙い目は平日の午前11時前、あるいは夕方16時半から17時半の隙間時間だ。午前中は比較的ゆったりとモーニングや焼きたてパンを楽しめ、夕刻は喫茶利用の客が引きレストランの夜営業へと移り変わる静寂のひとときが訪れる。池袋駅の喧騒をすり抜け、スマートに席を確保するならこの時間帯の訪問をおすすめしたい。
再開発が進む豊島区で今なお愛され続ける理由
劇場都市として急速にスタイリッシュな変貌を遂げつつある豊島区・池袋。ガラス張りのモダンな商業施設が増え続けるなかで、タカセが放つ温もりの価値はむしろ高まるばかりだ。
変わる街と、変わらない場所。そのコントラストが、都市で生きる人々の心を捉えて離さない。池袋駅東口の改札を出て見上げるタカセのネオン看板は、今日も行き交う人々を優しく迎え入れ、ほっと息をつける確かな居場所を提供し続けている。 (出典: タカセ 池袋 本店(Yahoo!ニュース))