せいろの洗い方決定版!洗剤NGの真相とカビを防ぐプロの極意
せいろ 洗い 方の基本を知るだけで、手元の道具の寿命は何倍にも伸びる。近年、健康志向の高まりや料理家・栗原はるみさんのレシピ発信などを機に、日常の食卓で蒸し料理を楽しむ層が急増した。しかし、手入れの難しさやカビへの不安から、購入をためらう声も根強い。天然木が持つ調湿性や木の香りを殺さず、衛生的に使い続けるメンテナンスには、現代のケミカルな洗浄とは全く異なるアプローチが求められる。
台所に立つ誰もが一度は「油汚れを落とすために洗剤を使うべきか」と迷うはずだ。実際のところ、プロや職人が推奨するせいろ 洗い 方を紐解くと、洗剤の化学成分を木肌に染み込ませない極めてシンプルな知恵が息づいている。日々の調理器具として長く付き合うために、まずは常識とされてきた手入れの誤解を解き明かしていこう。
洗剤は本当にNG?プロが教える「水と熱湯」だけで落とす洗浄の真実
結論から言えば、台所用合成洗剤の使用は避けるのが鉄則だ。無垢の杉や竹、ヒノキで作られた蒸籠は、表面に無数の導管(微小な孔)を持っている。ここに界面活性剤を含む洗剤水が染み込むと、内部深くまで浸透してしまい、いくら水ですすいでも完全に抜けきらない。次回加熱した際、食材へ洗剤の臭いや成分が移る原因になる。
辻調理師専門学校をはじめとする調理現場のプロも、日々の手入れには洗剤を使わない。蒸気を通した直後の木肌は毛穴が開き、汚れが浮きやすい状態にある。使い終わったら冷め切る前に、ぬるま湯または水で流しながら軽くこするだけで、大半の汚れは落ちる。肉や魚を直接置いた場合でも、熱湯を回しかけて余分な油分を熱で溶かし流せば、衛生面での問題はクリアできる。
中華せいろと和せいろで違う?素材と構造に合わせた基本ステップ
蒸籠には大きく分けて2つのタイプが存在する。点心などで馴染み深い「中華せいろ」と、深さがあり厚手の木で作られる「和せいろ」だ。どちらも基本的な扱い方は共通しているが、構造によるわずかな違いを把握しておくと手入れがぐっと楽になる。
竹や薄い杉板を何層も曲げて作られる中華せいろは、編み込みの隙間にカスが挟まりやすい。一方、厚みのある杉やヒノキを曲げて作られる和せいろは、底のスノコが外れるタイプが多く、接合部の乾燥に時間を要する。どちらも「濡らしたまま放置しない」「汚れを溜めない」が共通の掟だ。調理時にクッキングシートや蒸し布を敷いておけば、木肌への直接的な汚れの付着を最小限に抑えられる。
黒ずみ・カビを完全遮断する「乾燥」の絶対ルール
せいろをダメにしてしまう最大の原因は、洗い方そのものよりも「乾燥不足」にある。洗い終わった直後の木材は、見た目以上に水分を吸い込んでいる。ここで布巾で拭いただけの状態で扉付きの戸棚にしまえば、数日でカビや黒ずみの温床と化す。
洗浄後は清潔な布で表面の水気をしっかり拭き取り、直射日光の当たらない風通しの良い日陰で乾燥させる。立てて置く、あるいは網の上に浮かせて置き、底面にも空気が通る環境を作ることが欠かせない。最低でも丸1日、湿度の高い梅雨時なら2日は陰干しを続けたい。焦って天日干しをすると、急激な乾燥によって木が歪んだり割れたりするため厳禁だ。
横浜中華街の老舗や料理家が愛用する「棕櫚たわし」の威力
洗浄時の相棒として料理人たちがこぞって推すのが、棕櫚(しゅろ)の繊維で編まれた「棕櫚たわし」だ。横浜中華街で多くの料理人に支持される老舗「照宝」や、天然素材の道具を幅広く扱う「かごや」でも、せいろとセットで棕櫚たわしが選ばれている。
金属タワシや硬いナイロンブラシは、木の繊維を削り傷をつけてしまう。傷ついた箇所からは雑菌が入りやすくなり、黒ずみの原因になる。その点、しなやかでコシのある棕櫚たわしは、木肌を傷つけることなく、編み目や隅に入り込んだ細かな食材のかすをかき出せる。伝統工芸の粋が集まる道具には、同じく天然由来の道具を合わせるのが最も理にかなっている。
油汚れやにおいが染み付いたときの緊急レスキュー法
豚の角煮や油分の強い食材を蒸し、どうしても油膜やにおいが気になるときはどうすべきか。そんな非常時には、食品由来の素材を使ったリセット術が有効だ。
まず試したいのが「粉末の重曹」や「塩」を使った洗浄だ。少量の粗塩や重曹を手に取り、棕櫚たわしで気になる部分を優しくこすり洗いする。研磨作用と油分吸着作用により、木を傷めずにスッキリと洗い上げられる。においが気になる場合は、酢を少量混ぜたぬるま湯をくぐらせるのも手だ。その後、たっぷりの熱湯で洗い流し、いつも以上に時間をかけて徹底的に陰干しする。
一生モノに育てる!木製調理器具と付き合う日々の心得
せいろは使えば使うほど木肌の色が深まり、台所の景色に馴染んでいく。傷んだ部分を職人に修理してもらいながら、何十年と使い続ける愛用者も少なくない。現代のフッ素加工鍋のように「使い捨て」にするのではなく、経年変化を慈しむ感覚こそが木製道具の醍醐味だ。
手入れの要点は「洗剤を使わず水や熱湯で洗うこと」「棕櫚たわしで優しく汚れを落とすこと」「風通しの良い日陰で芯まで乾かすこと」の3点に尽きる。正しい扱いさえ身体に染み込ませてしまえば、決して扱いにくい道具ではない。今夜の食卓から、湯気立ち上るせいろを暮らしの中心に据えてみてはいかがだろうか。 (出典: せいろ 洗い 方(Yahoo!ニュース))